親御さんと話していて、時折きくのが「前の塾の先生が熱心だから、辞めるといいづらかった」ということ。
初めて聞いたときは、「ほー、そういう悩みもあるのか」と思っていたのですが、それ以降も何度も聞く機会がびっくりしました。
でも、これについては、そんなに悩まなくてもいいと思っています。
熱心だと辞めにくい理由
ただ、そういった悩みがあることが理解できないわけではありません。
むしろよくわかります。
熱心に頑張っている人って、無条件に応援したくなりますし。
あるいは、熱心に頑張ってくれている=親切にしてくれていると感じてしまいますから。
そして、そんな「いい講師」に対して辞めるなんて。
どうしても良心の呵責にさいなまれてしまいます。
優先順位を確認
しかし、優先順位ははっきりとつけないといけません。
塾も塾講師も、あくまでお子さんの成績を上げるためのツールです。
いい学校に入れるように、あるいは将来のために行きたい学校に入れるようにしてあげるために。
そんなツールに良心の呵責を感じるからといって、辞めたい理由があるのに辞めないというのは、本末転倒です。
もちろん、塾講師との人間関係は大事ですから、普段からツール扱いして、なんでも言っていいというわけではありません。
でも、お子さんの成績と、塾講師を天秤にかけたならば、明らかにお子さんのためになることをすべきです。
熱心な塾講師=「いい講師」ではない
また、そもそも熱心な塾講師=「いい講師」ではありません。
確かに、「いい講師」の”可能性が高い”塾講師は、いい大学を出ている、実績が高い、そして熱心であることです。
でも、あくまで”可能性が高い”だけです。
「いい講師」とは、入塾させた目的を達成してくれる塾講師です。
中には、生徒の性格を変えたい、あるいは塾講師の考え方を身につけさせたいという目的をもって入塾させる方もいらっしゃいます。
でも、多くの方は、成績を上げたい、いい学校に入らせたいと考えているはず。
そうであるなら、お子さんの成績を上げてくれる、いい学校に入らせてくれる講師こそ「いい講師」となるわけです。
私も見てびっくりしたことがあるのですが、すごくやる気がないのに、あるいは全然その担当科目のことがわかってないのに、なぜか生徒の成績を上げる塾講師の方も、まれにいます。
担当する生徒とすごく波長が合ったり。
雑談が上手な上、ファッションとかに詳しくて、そういったことに興味のある生徒たちをトークで引き付けて、そのまま勉強にも集中させたりと、色々なタイプがいるんです。
こういった塾講師も、その生徒たちからすれば「いい講師」となるわけです。
逆に、熱心な塾講師でも、実力が足りなかったりすれば、当然「いい講師」ではありませんし。
また、熱心さを暑苦しいと感じたり、また委縮してしまったりする生徒にとっては、かえって勉強の妨げになる存在ですので、「いい講師」にならないんです。
ですので、熱心な講師を必ずしも「いい講師」と考える必要はないわけです。
終わりに
以上のとおり、熱心な塾講師に辞めることを言いづらいと悩む必要はありません。
どうせ悩むのでしたら、お子さんの性格や、何が得意で何が不得意なのかといった分析をして、どのように伸ばしてあげるかを悩んであげる方がずっと建設的です。
今後、次の塾にお子さんの状況を正確に伝えることができますし、またどのような科目や勉強方法をとるべきかという判断材料にもなりますから。
まずは、お子さんの成績のことを考える、それでいいと思います。
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